九州DIYリノベWEEK2025開催レポート―未来の建物ブランディングと自分たちのまちを考える―

11月8・9日に九州DIYリノベWEEK2025が開催されました。
8日にシンポジウム、9日に筑後地方の拠点をめぐるキャラバンという2日間の日程に、全国、また韓国からのべ170人超の方々にご参加いただきました。本当にありがとうございます。

九州DIYリノベWEEKとは、遊休不動産を活用した市民主体のまちづくりの取り組みを学び合うオープンイベントです。2014年から開催し、開催当初は福岡県内6箇所のチームでしたが、回を重ねる毎につながりが広がり、2020年以降は九州各地から20を超えるチームが参加するイベントへと発展しています。2024年には、国交省の「第2回地域価値を共創する不動産業アワード大賞」を受賞させていただきました。

シンポジウム終了後の集合写真

今年のリノベWEEKのテーマは、「共感不動産」。空き家空きビルの活用を通じて、不動産・人・まちを共感で結び、持続可能な経営へとつなげる考え方をまとめた、これまでの活動の蓄積から導き出された新たな理論です。2025年6月には、この理論を体系化した書籍「共感不動産のすべて」を出版。今回のシンポジウムはこの書籍に登場する実践者を招き、みなさんとでクロストークをしながら、地方のまちが抱える社会課題にどう向き合い、自分たちの楽しいまちをどのようにつくっていくかを学び合いました。(書籍情報は「マンガでわかる 次世代不動産経営のための「共感不動産」のすべて」

書籍(マンガのストーリー部分)の再現演劇もおこなわれ、長丁場のシンポジウムの中で会場が笑いにつつまれた楽しい時間でした。ご出演いただいた皆さま、ありがとうございました。

毎年恒例の参加全チームによる3分プレゼンも行われました。スペースRデザインからは、冷泉荘、新高砂マンション、山王マンション、天神パークビル、コーポ江戸屋敷の取り組みを発表をさせていただきました。


新高砂マンション取り組み発表

また今年は参加チームの中から、魚ん町+(ココトト合同会社/長崎市)、ともそうや田布施(山口県田布施町)、街なかリノベーション実践セミナーチーム(株式会社キシャバリー/鹿児島市)の3チームがミニセミナーを行い、新しい動きや今後の活動を報告されました。

今年初参加となった「ともそうや田布施(山口県田布施町)」の田原さん、吉田さん、小田さん

シンポジウムの最後には、マレーシアの大学でVRを専攻している樅山さん(大学2年生)による「建物の人格化プロジェクト」の発表がありました。

このプロジェクトは建物ブランディングに生成AIを活用できないかというオーナーの想いから始まっています。現時点ではまだ想像もつかない部分も多いのですが、今後の展開がとても楽しみです。建物としての新しい表現やコミュニケーションの可能性が広がる予感がしています。

そして、シンポジウム翌日の筑後キャラバンでは、久留米~柳川~大牟田の各DIYリノベ拠点を巡りました。スペースRデザインでは、コーポ江戸屋敷をご案内させていただきました。

コーポ江戸屋敷(久留米市)

垂見御殿(柳川市)

大牟田市

なおシンポジウムの内容は、後日アーカイブ配信(有料)も予定しておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。

毎年シンポジウムでは各地の最新の取り組みを知ることができ、自分たちの活動を見つめ直す大切な機会になっています。特に今年は「ないものは自分たちでつくればいい」「人材育成」「なぜするのか、だれとするのか」といった、“人”を中心にしたお話が心に残りました。
私たちスペースRデザインは、主に古い建物の魅力や可能性を見い出し、オーナーさんと一緒に長くまちの人に愛される建物に育てていくことを目指しています。何十年と時間がかかっても、建物にまつわる出来事やそこから生まれた新たな関係性など、建物を中心に育まれる“人の物語”が、まちの価値になっていくと考えています。
生成AIによって形あるものは容易に作れる時代になっていますが、「なぜこのまちで、誰と一緒に取り組むのか、どんな未来を目指すのか」という想いや意思は、人を起点に生み出されるもの。建物経営やブランディングを持続的におこなうために、その本質的な表現がますます大切になっていると感じました。


コーポ江戸屋敷のDIY屋台プロジェクト。コーポ江戸屋敷に新たなにぎわいの景色を生み出したい、という共通のビジョンを起点に、企画~設計~製作までの一連のプロセスを参加者の皆さんと共有しました。

シンポジウム後の懇親会(久留米市中央公園「kurumeru」)

これまでの文脈を大切に、つながりの中から生まれた新しいことにも積極的に挑戦していくDIYリノベの取り組み。また来年も九州から皆さまに活動を報告できるよう、学びと実践を続けていきたいと思います。

スペースRデザイン しんの


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