祝10周年!九州DIYリノベWEEK2023シンポジウムレポート

11月4日(土)、10周年となる九州DIYリノベWEEK2023のイベント、全員集合シンポジウムが久留米市にて開催されました。(主催:NPO法人福岡ビルストック研究会)
当日は不動産オーナー、不動産やまちづくり事業者、大学研究者、行政の方など、全国から約130人の方にご参加いただき、会場は満員御礼でした。また、受付や配信業務をお手伝いいただいた吉原ゼミ(次世代まちづくりスクール)のみなさま、学生インターン生の方々、本当にありがとうございました。

シンポジウムのプログラムは、参加全22チームの3分プレゼン、(株)リクルート「SUUMO」編集長 池本氏の基調講演、韓国からご来日いただいた国立忠南大学(韓国) 建築学科 教授 Yoon Zoosun 氏のDIT(Do It Together)の取り組みのご講演。全4時間に渡ってDIYやまちづくりについて最新の動きを学ぶ濃厚な一日となりました。

まずは、全22チームによる活動プレゼンからスタートです。(22チームの詳細は「電子パンフレット」からご覧いただけます。)


新高砂マンション


山王マンション


天神パークビル


コーポ江戸屋敷(ビンテージのまち株式会社×H&A brothers)

また、ゲストとして山口県下関市にて商店街の空き店舗を活用してまちづくり拠点「ARCH」を立ち上げられた橋本さん(上原不動産)にも活動発表いただきました。


(「ARCH」には2023年7月、箱田が視察に行っています。「【見聞録】下関・シェアオフィス『ARCH豊前田』オープニングに参加しました!」)

基調講演の池本氏。

【基調講演】(株)リクルート「SUUMO」編集長/SUUMOリサーチセンター長 池本 洋一氏
「私が注目する全国の街づくり、賑わいづくり~メディアはなぜそれを取材するのか?~」

メディアの方が取り上げたくなる情報発信をテーマに、全国のまちづくりや不動産再生事例を分析いただきました。大切なのは、関わる人の顔が見えて、誰かに話したくなるストーリーがあること。リノベWEEK各チームの活動に当てはめてみると、どの活動も関わる人の顔が見えて、ストーリーがあります。自分たちの活動をどのように編集して発信していくか、伝え方の工夫はもっとできるなと感じました。

DIYリノベWEEKのためにご来日いただいたYoon先生。

《10周年記念メッセージ》国立忠南大学(韓国) 建築学科 教授 Yoon Zoosun 氏
『韓国における「DIYリノベの活動とその意義」』

韓国では、まちづくり活動が民間団体で行われることがまだ少なく、多くは行政のバックアップを受けているそうです。DITプロジェクトが動画でまとめられているものを拝見したのですが、動画そのものがアート作品のようでした。
DIYがきっかけで生まれた縁が、国を超えた情報交換につながることにあらためて驚きです。文化や法律など様々な要素が大きく異なる中で学び合うことで、より自分たちの活動が整理され深い気付きを得られることが分かりました。

シンポジウム動画は、編集して後日配信予定です。ご興味ある方はぜひご覧ください。

そして、10周年記念にこれまでの取り組みや変化をまとめた冊子『九州DIYリノベWEEK 10th Anniversary 2014~2023』を作成。この日にお披露目となりました。


1冊1,000円で販売しております。詳しくはお問い合わせください。(本の売上はNPO活動に有効活用させていだきます。)

シンポジウムが無事終了し、KURUMERUにて懇親会へ。ここでもゲストの方に活動発表をしていただきました。


長崎県の五島からお越しいただいた吉田さんたち(NPO法?五島空き家マッチング研究所)。吉田さんは五島のまちの電気屋さん。移住者の方々とタッグを組み、まちに根差した空き家再生事業に取り組まれています。


懇親会会場のKURUMERUさん、今年もありがとうございました。

想いからはじまる不動産再生。はじめは個人の点としての活動が、時間をかけてまちの中で線になり、リノベWEEKを介して仲間同士がつながることで面となり、社会へ発信ができるようになっていると感じます。
そしてその結果、まちづくり事業者の方や研究者の方々が全国から視察に来ていただける状況が続いています。この10年間で地方のまちの活動が、全国の方に見守っていただける活動へと進化し、自分たちでは気づかないような活動の特徴や課題を教えていただける貴重な機会を多くいただいています。

「九州DIYリノベWEEKという組織には目標や目的がありません。それぞれの参加者がそれぞれの理念に基づいて活動しています。(略)社会が回り続ける限り、地域の課題という謎がなくなることはありません。そのため、DIYリノベ活動にも完成形はなく継続し続けます。」(10周年記念誌『九州DIYリノベWEEK 10th Anniversary 2014~2023』より引用)

組織自体に目標や目的がないリノベWEEKの活動が10年間続いているのは、参加する一人一人が主体となり、その時期に自分たちのまちに必要な活動をする、そしてそれを仲間たちと学び合う、というサイクルが自走しているから。ゆるいつながりのように見えますが、個人同士の強い信念があってはじめて成り立つものです。これからもリノベWEEKは形にこだわらず、そのときの自分たちのまちに必要な取り組みを、仲間と続けていくのだと思います。
10年間、見守ってくださっているフォロワーのみなさま、イベント運営に関わっていただいているみなさま、本当にありがとうございます。これからも、よろしくお願いします。

スぺースRデザイン 新野


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